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呼吸とパフォーマンスの関係

こんにちは!

前回のブログでは、呼吸の重要性について触れました。

今回はその続きとして、具体的に呼吸がパフォーマンスにどのように影響を及ぼすのか、深掘りしていきましょう。


「呼吸」と「パフォーマンス」の関連性を考えると、一見つながらないかもしれませんし、この考え方が少々胡散臭く感じるかもしれません。

しかし、実際のところ呼吸は私たちのパフォーマンスに大いに影響を与えています。


呼吸とパフォーマンスの関係


  1. 自律神経のコントロール

前回、呼吸が自律神経に影響を及ぼすことについてお話ししました。

息を吐けない状態が続くと横隔膜が緊張したままで固まり、交感神経が活発化します。

これにより心身ともに緊張し、リラックスすることが難しくなります。

これは、スポーツや仕事のプレゼンテーションなどでパフォーマンスを発揮する際に、しばしば問題となります。

例えばクロスフィットでは、1RM(一回最大挙上量)のスクワットやクリーンで初めての重量に挑戦する時や、マッスルアップなどの高度なテクニックが要求される場面で、この緊張がパフォーマンスを阻害することがあります。

ゴルフ、野球、テニス、サッカーなどの他のスポーツでも同様の状況が見られます。

しかし、呼吸を整えてこれらの緊張が高まる場面で息を吐くことを意識すると、リラックスでき、メンタルの安定と集中力の向上につながります。


  1. 可動域の向上

呼吸が乱れると、肋骨が開いた状態で固定されやすく、肩や背中の筋肉を使って呼吸することが必要になります。

その結果、これらの筋肉が緊張し前屈後屈、回旋などの可動域が制限されます。

しかし、呼吸が整うと肋骨が自由に動くことが可能となり、肩や背中の筋肉がリラックスすることで、体の可動域を取り戻すことができます。

これにより、ショルダープレス、クリーン、スナッチ、スクワットなどの動作が楽になり、ゴルフや野球のスイングもよりパワフルに行うことが可能になります。


  1. 体幹の安定性

横隔膜は腹部周囲の筋肉と協力して働き、体幹の安定性を高めます。

呼吸が乱れると横隔膜が適切に機能せず、腰が反りやすくなり、胸を張り続ける姿勢になりやすくなります。

この状態では、体幹を支える腹部周囲の筋肉の働きが弱まり、体幹の安定感が失われ、四肢の動きが不安定になります。

しかし、呼吸が整い、横隔膜や周囲の筋肉が連動して働くことで、体幹の安定性を高めることができます。


では、体幹が重要である理由は何でしょうか。

まず、体幹は文字通り私たちの体の「幹」です。この部分が安定していなければ、体の「枝」である四肢の動きは不安定になり、全身の動きの安定性が失われます。

そのため、体幹の安定性は体全体の動きを安定させるために必要不可欠です。

また、体幹はエネルギーを伝えるための「道」ともなります。

クロスフィットのトレーニングでは、「連動性」の向上が重要な目標の一つです。これは、下半身の大きな筋肉から発生する力を体幹を通じて物体に効率的に伝え、重たいものを動かす能力を高めるという意味です。様々な動作で下半身の力を物体に伝達する際、体幹がエネルギーの通路となります。

体幹が安定していないと、エネルギーが逃げてしまい、力が効率的に伝わらない可能性があります。

しかし、体幹が安定していれば、エネルギーロスなく、効率的に力を伝えることが可能になります。


今回のブログでは、呼吸とパフォーマンスの関係について詳しく説明しました。

適切な呼吸は、自律神経のコントロール、体の可動域の拡大、そして体幹の安定性の向上を可能にします。

これらすべてが一緒に働くことでパフォーマンスを向上させます。


呼吸に問題がある場合、多くは息を吐けないという状態が多いです。

普段から息を吐ける体の状態を作り、大事な場面で息をしっかりと吐くことで心身の余計な緊張を取り除き、パフォーマンスを発揮できる状態を作ることが重要です。


以下の動画は、全日本が熱狂したWBC決勝の大谷翔平の最後の投球前の様子です。

彼は大事な場面で手を口にあてて力強く息を吐く様子を見せています。

彼がこれを意識して行っているかはわからないですが、優れたパフォーマンスを発揮するためには呼吸を味方につけることが大切であるということを理解しているのかもしれません。

次回もお楽しみに!



参考

  1. 書籍名: 勝者の呼吸法―横隔膜の使い方をスーパー・アスリートと赤ちゃんに学ぼう!
    著者: 森本貴義, 大貫崇
    出版社: ワニ・プラス 発行年: 2016年4月​

  2. 書籍名: 「呼吸力」こそが人生最強の武器である
    著者: 大貫崇
    出版社: 大和書房
    発行年: 2019年1月​

 


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